孫子の兵法

・戦略と戦術について

不変の善や悪、真や偽は存在しない。したがって、戦に勝つためには同じ戦術を何度も繰り返すのではなく、自軍の形態を変幻自在に適応させることが肝心だ。だから水が一定の形状を持たないのと同様、軍隊も一定の陣形がなく無形がよい。
敵によって自らを変化させ適応させることによって勝利を手にする能力を、天才と呼ぶ。

自軍が敵と戦って敗れないようにするためには、正攻法と奇策との適切な使い分けが必要だ。

全軍の争い(軍争)で困難なのは、遠い道を近い道とすることと、不利を利に変えることである。


・競争と諜報活動について

周辺諸侯の考えていることを知らなければ外交交渉はできない。

間諜への恩賞を惜しんで敵情の把握を行わないのは不仁であり、真の武将らしからぬふるまいである。賢明な統治や兵の統率は、先見性をもって敵に打ち勝ち素晴らしい手柄を成しうるものだ。この先見性は、敵情を良く知る人物から入手せざるを得ない。

軍事行動の掟とは、敵が来ないようにと期待するのではなく、敵に対処する方法を備えることである。敵が攻撃してこないことを期待するのではなく、攻撃されないように布陣することである。


・リーダーシップと人材マネジメント

用兵に当たって、いくら知識を持っていても、現場で臨機応変に生かすことができなければ成果は得られない。

まだ馴染んでいないのに、規律だけ厳しくしたのでは兵は心服しない。心服しなければ用兵するのは難しい。

リーダーが兵士と共に敵陣深く入り込めば、兵士に全力を尽くして戦わせることができる。

兵を赤ん坊のように愛すればこそ、彼らは信頼感を持って谷底にもついて来る。愛児を育てるようにすればこそ、彼らは信頼感をもって生死をともにする気にもなる。

兵を厚遇するだけで働かさず、可愛がるだけで命令もせず、秩序を乱しても管理できなければ、それはワガママ息子にしてしまうだけで、使いものにならなくなる。

指揮官が非力で威厳に欠け、命令が徹底しなければ、部隊の足並みが乱れ、戦線は支離滅裂となる。これを暴動という。


・コミュニケーション

平素から民衆を指導し法令が公正適正に実施されていれば、命令が出されれば民衆は良く服従する。そうすれば、上下双方に満足がある。


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